Mieko Miyazaki

みやざきみえこ

箏奏者

東京都出身。箏、三味線を古屋富蔵、田村祥子両氏に師事。 東京芸術大学音楽学部で邦楽科生田流箏曲を専攻、在学中に皇居内桃華楽堂に招かれ「春の曲」を御前演奏、タテーーー合奏の責任者を務めた。 芸大卒業後ソロ活動を開始、同時に作曲家としてのキャリアもスタート、民放やN H Kの教育番組、テレビやラジオ放送のコマーシャルなどに楽曲を提供、教育番組のための楽曲の中にはスタンダード曲となった作品もある。 2000年より、国際交流基金の派遣演奏家として選ばれ、ベラルーシ、ノルウェー、アメリカ、メキシコなどを演奏旅行する。アイスランドでは日本大使館開館の際、記念式典で演奏した。 尺八奏者、藤原道山とユニット「East Current」を結成し、数多くの楽曲を発表した。彼らのアルバム曲「The Current」が、邦楽ジャーナルの読者アンケート「全ての時代の箏による音楽ベスト30」に選ばれた

2005年にフランスに活動拠点を移し、以降ヨーロッパを中心に、アジア、アメリカ、南アメリカ、北アフリカで演奏活動を展開する。自身の作品を中心としたソロコンサートや、グエン・リー、ミッシェル・ベニタなどのジャズ界の巨匠とも出会い、彼らのプロジェクトに積極的に参加している。現代舞踏のパイオニア、故カルロッタ・池田による舞踏劇「Chez Ikkyu」では音楽全般を担当し、トップダンサーたちと共にステージに立った。

コルシカ伝統歌謡のグループ、「ヴォッチェ・ヴェントゥ」とのコラボレーションでアルバム「Tessi tessi」を発表、録音までの制作過程がドキュメンタリー映画にまとめられた(「島と島が出会う時」監督=サミュエル・ラジュス)。またオーケストラや室内楽との共演にも積極的であり、箏コンチェルトの初演や、新鋭グループ、ヤコ・カルテットに箏と弦楽四重奏による楽曲を提供するなど、活動の幅を広げている。T Vの人気バラエティ番組やラジオの音楽番組では、トークも含めたライブ演奏を披露している。 17年の歳月をかけて、J S・バッハの「ゴルトベルク変奏曲」の全変奏曲を13弦の箏一面に編曲し、2020年、アルバム「The Art of Koto—Variations Goldberg」を発表した。当アルバム日本盤は、2000年の芸術祭に出品された。 

尺八奏者のジャン=フランソワ・ラグロ氏と共に、日本伝統音楽プロジェクト「K Y O K U」を立ち上げ、演奏活動を行う傍ら、2022年、パリ郊外ジャンティー音楽院に「Classe Sankyoku」―日本伝統室内楽のクラスを開設、ヨーロッパ初となる公立音楽院での日本伝統音楽専攻課程を始動させた。